2005年3月、産業再生機構はダイエー再建の支援企業(スポンサー)に丸紅を中核とする連合を選定し、ダイエーは会長兼CEOに独BMWの日本法人「BMWジャパン」の100%子会社であるビー・エム・ダブリュー(BMW)東京前社長のH文子を決めた。
58歳のHは、セールスウーマン時代に平均的な高級車の営業マンなら年平均二十3十台売れば上等と言われるなかで、4年間に4百台を販売したという伝説の持ち主である。
「社員が楽しく、いきいき働ける環境を整えないと業績は好転しない」、「景気の気は気持ちの気。
モノのよしあしは売り手の気持ち一つで変わる」、「(女性でも)熱意をみせれば正当に評価してくれる男性上司が必ずいるはず」、「社員の幸不幸は上司次第」、「(部下の掌握術は)とにかくほめあげること」当時の日経産業新聞はこうH社長の語録をまとめている.ホンダの販売会社で一年に145台ものクルマを売り、営業所でトップの成績をあげたHは、1987年にBMW東京の世田谷支店に転身。
ここでも抜群の成績をあげて新宿支店長に抜てきされ、2年で同支店を成績最下位からベストセールス支店に躍進させた。
「一日百人と話すまでは帰らない」と、自分に一日百軒の飛びこみノルマを課し、次から次へと玄関のベルを鳴らす。
車だけでなく映画や音楽の話をしたり、訪問先の奥さんの悩みを聞いたりと、一人の顧客に徹底的に尽くすホスピタリティ戦術を展開したという武勇伝が残っている。
相手が医者であろう「ニューラグジュアリー現象」米国におけるレクサスの成功は、自分にとって重要な領域なら、ちょっとムリをしてでも思わず買ってしまうという、ワンランク上の消費を求める「ニューラグジュアリー現象」という流行語も生んだ。
米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のシニア・ヴァイスプレジデントであるマイケル・J・シルバースタインが取りあげたものだ。
シルバースタインは、消費者をワンランク上の商品に駆り立てているのは、幸福感や達成感だと弁護士であろうと社長であろうと、何時間でも話ができるのが強みだった。
そのやり手ぶりはたちまちヘッドハンティング会社の目にとまり、1999年にファーレン東京(後のフォルクスワーゲン東京)の社長にスカウトされ、4年で売上げを2倍にする実積をあげた。
しかし古巣のBMWの懇請でBMW東京の社長として復帰。
部下とのコミュニケーションに気を使い、部下の長所をほめて力を伸ばすという独特の人事術とチームプレイで業績を伸ばし、再びヘッドハンティング会社の白羽の矢が立った。
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